この記事の仕様は2026年8月時点のものです。刈払機はメーカー・機種によってネジの向きや付属部品が異なります。ここに書いた手順は一般的な目安なので、必ずお使いの機械の取扱説明書の指示を優先してください。
新しい刃を買ってきたのに、ナットがびくとも動かない。力いっぱい回しているうちにレンチが滑って、手の甲をぶつける。刈払機の刃の交換で最初につまずくのは、たいていここです。
原因は力でも工具でもなく、回す向きです。刈払機の刃を留めるナットは、多くの機種で逆ネジ(左ねじ)になっています。緩めるときは時計回り、締めるときは反時計回り。ふだんのネジと逆なので、正しく回しているつもりで、実は締め込んでいることがあります。ここさえ分かれば、交換そのものは5分で終わる作業です。
この記事で分かること
- 逆ネジのナットを、どちら向きに回せば外れるのか
- 刃の交換の手順(5ステップ)と、外す前にやる安全の準備
- 刃の「向き」の決め方|2枚刃・3枚刃で見るところ
- 裏返して使える刃と、使えない刃の見分け方
- ナットが外れない・作業中に刃が緩むときの対処
草刈機の刃の交換でつまずくのは、いつも同じ3か所
刃の交換は、部品の数だけで言えばナット・押さえ金具・刃の3つしかありません。それなのに手が止まるのは、迷う場所が「回す向き」「取り付ける向き」「裏返せるかどうか」の3か所に決まっているからです。
| 迷いやすい場所 | よくある症状 | この記事のどこを読むか |
|---|---|---|
| ナットの回す向き | いくら回しても外れない/逆に固くなる | 手順のステップ3 |
| 刃を付ける向き | 刈れない・草が飛び散るだけ | 「刃の向き」の章 |
| 裏返せるかどうか | まだ使えるのか捨てるのか分からない | 「裏返して使える刃」の章 |
| 締め方 | 作業中に刃が緩む・外れる | 「よくある失敗」の章 |
3か所とも、部品を見ただけでは答えが書いてありません。だから毎年やっている人でも、シーズン初めの1回目は迷います。順番に片づけていきます。
「ナットが外れない」という声、本当によく聞くんです。そのほとんどは工具の問題ではなくて、回す向きが逆でした。力を入れる前に、まず向きを疑ってみてください。
交換の前に|用意するものと、必ずやる安全の準備
作業そのものより、この準備のほうが大事です。刃は止まって見えていても、エンジンが動く状態のままでは危険です。
- 機械に付属のレンチ(ボックスレンチ)
- ロック用の棒(六角レンチやドライバーで代用する機種もあります)
- 厚手の作業手袋
- 保護メガネ(外した刃を持ち替えるときの飛散対策)
- 新しい刃と、傷んでいれば交換用の座金・ナット
準備で欠かせないのが、動力を切ることです。エンジン式ならエンジンを止めてプラグキャップを外す、充電式ならバッテリーを本体から抜く。作業中にうっかりスイッチに触れても回らない状態にしてから始めます。刈った直後は刃が熱を持っているので、素手で触らず少し冷ましてからにしてください。
外す前に、部品の並び順を写真に撮る
受け皿・刃・押さえ金具・座金・ナットの順番と向きは、機種によって違います。外す前にスマホで1枚撮っておくと、組み戻すときに迷いません。特に受け皿は凹んでいる面がどちら向きだったかを忘れがちです。
【手順】草刈機の刃の交換方法|5ステップ
ここからが本番です。迷いやすいのはステップ3だけで、あとは順番に外して順番に戻すだけです。
エンジンを止めてプラグキャップを外す(充電式はバッテリーを抜く)。刈った直後なら数分置いて、刃の熱が引いてから作業に入ります。機械は平らな場所に置き、刃が地面から浮かないようにします。
ギアケース(刃の付け根の金属部分)の横に小さな穴があります。ここに付属の棒や六角レンチを差し込み、刃を手で少し回すと、内側の溝にはまって回転が止まります。ロックできていないままナットを回すと、刃ごと空回りして力が入りません。
多くの刈払機は逆ネジ(左ねじ)なので、緩めるのは時計回り(右回し)です。ふだんのネジと逆だと意識してレンチをかけてください。反時計回りに力をかけると、緩むどころか締め込んでしまいます。ごくまれに正ネジの機種もあるので、動かないときは取扱説明書でネジの向きを確認します。
ナット・座金・押さえ金具の順に外し、古い刃を抜きます。受け皿に付いた草くずと土を落としてから、新しい刃の取付穴を軸に通します。穴の直径が合っていないとガタつくので、外径と穴径は買う前に確認しておきます(エンジン式は穴径25.4mmが一般的です)。
外したときと同じ順番・同じ向きで部品を戻し、ナットは反時計回り(左回し)で締めます。締めたらロック棒を抜き、手で刃を回してガタつきや振れがないかを確認します。このとき上から見て、刃先が左回りの進む方向に向いているかも一緒に見ておくと、付け間違いに気づけます。締め付けの強さは機種ごとに決まっているので、数値はお使いの取扱説明書に従ってください。締めすぎは軸を傷めます。
刃を外したついでに、受け皿の内側と軸のネジ山を軽く拭いておくと、次の交換がぐっと楽になります。土と草汁が固まったまま何年も置くと、ナットが固着して外れなくなります。
刃の「向き」はどう決める?|2枚刃・3枚刃で見るところ
草刈機の刃は、多くの機種で上から見て反時計回り(左回り)に回ります。だから回転の進む方向に対して、刃先(切れる側)が先に草へ当たる向きで取り付けます。回転の向きは機械によって違うことがあるので、はじめて使う機種では取扱説明書か本体の表示で確かめてください。チップソーなら歯の傾きを見れば分かりますが、2枚刃・3枚刃は形が左右対称に見えるので迷いやすいところです。
見分け方は3つあります。
- 刃先の研ぎ面(斜めに削ってある面)が上を向く側を表にする
- 商品に印字や刻印があれば、文字が読める面を上(外側)にする
- 刃に矢印が入っていれば、矢印を回転方向(左回り)に合わせる
向きが逆でも取り付けはできてしまうのが厄介なところです。気づくのは刈り始めてからです。草が切れずに倒れるだけだったり、押し戻されるような手応えになったりします。「今日は切れ味が悪いな」と感じたら、刃の摩耗を疑う前に向きを見てください。
この2つは向きの問題ではありません
正しい向きで付けても刈れない場合、原因は別にあります。ひとつは刃の摩耗で、これは草刈り替刃の研ぎ方で戻せることがあります。もうひとつは刃と草の相性で、笹や太い茎は刃の種類そのものを変えたほうが早いです。
裏返して使える刃・使えない刃がある(ここが分かれ目)
「刃の裏表」という言葉には、実は2つの意味があります。①取り付けるときの上下の向き ②片側が摩耗したあとに裏返して反対側を使えるかどうか。①は前の章のとおり全機種共通ですが、②は商品によって答えが違います。
金属刃のなかには、片面が鈍ったら裏返して反対の刃先を使えるものがあります。一方で、Nestrayの3枚刃(305mm)は裏返しての両面使用はできません。片面での使用を前提に作っているためで、これは切れ味ではなく安全に直結する部分です。
判断は「刃の見た目」ではなく商品ページで
両面使えるかどうかは、刃を眺めても分かりません。買った商品ページか説明書の記載で確認するのが唯一確実な方法です。判断がつかないまま裏返して使うより、新しい面に交換したほうが結果的に安く済みます。シーズン終わりの手入れと保管のコツは替刃の保管とサビ対策にまとめています。
3枚刃は2枚入りにしています。片面しか使えない分、傷んだらすぐ新品に替えられるほうが現場では早いと思っているからです。もったいないから裏返す、はやらないでください。
よくある失敗3つと、その場での直し方
交換のトラブルは、ほぼこの3つに集約されます。
① ナットがどうしても外れない
まず回す向きを確認します。それでも動かないときは、サビと土がネジ山で固まっているのが原因です。潤滑剤を吹いてしばらく置く、レンチの柄を長くして少しずつ力をかける、といった順で試します。刃をロックできていないと力が逃げるので、ロック棒がしっかり溝にはまっているかも見てください。無理に回してネジ山をつぶす(なめる)と、部品ごと交換になります。
② 作業中に刃が緩む・外れる
締め忘れ以外に多いのが、座金の使い回しです。座金はナットの下に入る薄いワッシャーのことで、刈払機では逆ネジ用の専用部品が使われていることがあります。ホームセンターの一般的な座金で代用すると、緩みの原因になります。傷んだ座金・ナットは、刃と一緒に新しくしてください。回転中に刃が外れると大きな事故につながるので、ここは節約するところではありません。
③ 刃を替えたのに切れ味が戻らない
まず疑うのは向きです。それが合っているなら、次に疑うのは刃の種類のほうです。やわらかい草か、笹のような硬い草か、石が多い場所かで、適した刃は変わります。草刈り替刃の用途別おすすめ3選で使い分けを整理しています。
なお、2枚刃・3枚刃はチップソーよりキックバック(刃が弾かれる動き)が強く出ます。交換したあとの試し刈りは、周りに人や車がないことを確かめてから始めてください。草刈機の2枚刃の危険性と回避方法もあわせて読んでおくと安心です。
交換する刃で迷ったら|Nestrayの替刃3モデル
Nestrayの替刃は、現場の草の種類と機械のパワーで選び分けます。取り付けの手順はどれもこの記事のとおりで、外径と取付穴のサイズは各商品ページに記載しています。
後片付けまで軽くしたいなら:3枚刃 305mm
刈った草を細かく粉砕するタイプです。集草の手間を減らしたい広い場所向けで、2枚入りなので傷んだらすぐ交換できます。裏返しての両面使用はできません。高出力の機械と組み合わせるのが前提で、充電式で使う場合の条件は充電式の草刈機で3枚刃は使える?にまとめています。
藪や硬い草が相手なら:高炭素SK95モデル 305mm
厚み2.2mmで、伸びきった雑草や斜面のような負荷の大きい現場で使われています。切れ味が鈍っても研いで戻せるのが2枚刃の利点です。
小型機・長時間の作業なら:高炭素SK5モデル 255mm
外径255mm・厚み2mmで、3モデルの中では一番軽い刃です。小型の機械や、腕の疲れを抑えたい長時間の作業に向きます。
価格は時期により変わります。最新の価格と在庫は各サイトでご確認ください。
3モデルの詳しい仕様はNestrayの草刈り替刃ページにまとめています。刃を替えるタイミングそのものに迷っている方は、草刈りは年に何回?時期の目安もどうぞ。
よくある質問(FAQ)
- 草刈機のナットは全機種が逆ネジですか?
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多くの刈払機は逆ネジ(左ねじ)ですが、機種によって異なります。時計回りで緩まないときは、無理に力をかけず取扱説明書でネジの向きを確認してください。
- 刃を裏返して使ってもいいですか?
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商品によります。裏返して反対側を使える金属刃もありますが、Nestrayの3枚刃(305mm)は両面使用はできません。判断は商品ページか説明書の記載に従ってください。
- 締め付けはどのくらいの強さですか?
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適正な締め付けの強さは機種ごとに決まっているため、この記事では数値を示しません。お使いの機械の取扱説明書の指定に従ってください。締めすぎは軸を傷める原因になります。
- 刃の交換だけ販売店に頼めますか?
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購入した販売店や農機具店で対応してもらえる場合があります。ロックがうまくかからない、ネジ山をつぶしてしまったといったときは、自分で続けずに相談するほうが安全です。
まとめ|迷ったら「向き」を先に疑う
刃の交換で手が止まる原因は、力でも工具でもなく向きです。ナットは逆ネジで緩めるのが時計回り、刃は回転方向に刃先が先に当たる向き。この2つを押さえれば、あとは外した順に戻すだけの作業になります。
裏返して使えるかどうかだけは刃ごとに違うので、商品ページの記載で確認してください。Nestrayの3枚刃は片面での使用が前提です。
交換したら、最後に手で回して確認する
ロック棒を抜いてから、刃を手でゆっくり1周回してみる。ガタつきや上下の振れがなければ、締め付けは正しくできています。試し刈りは周囲に人や車がないことを確かめてから始めてください。
刃を長く使うコツは研ぎ方の記事と保管とサビ対策の記事にまとめています。シーズンの終わりに5分だけ手をかけておくと、次に刃を外すときの苦労が変わります。











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