この記事の商品仕様は2026年9月時点のものです。最新の仕様と対応サイズは各販売ページで確認してください。点検の内容は一般的な目安なので、お手持ちの草刈機の取扱説明書の指示を必ず優先してください。この記事は、刈払機取扱作業者に対する安全衛生教育(厚生労働省の通達に基づく講習)を修了した代表が、実際に刈払機を使う立場で内容を確認しています。
冬のあいだ物置にしまっていた草刈機を、春になって出してみる。刃はうっすら赤茶色、燃料は去年入れたまま。このまま使っていいのか、何から確かめればいいのか。草刈機を久しぶりに使う日は、刈る前から迷うことが多いものです。
確かめるのは5つだけです。刃は「ひび・欠け・曲がりがないか」、燃料は「去年のものを使わない」。この2つを押さえれば、シーズン最初の草刈りで大きく慌てることはありません。
この記事では、「今日その刃を使っていいか」を決める刃の点検を中心に、見る順番どおりにまとめました。エンジンの整備には踏み込まず、自分で見るところとお店に任せるところを分けています。
この記事で分かること
- 草刈機を久しぶりに使う前の「5分チェック表」(順番つき)
- 刃のひび・欠け・曲がり・サビ・締め付けの見方
- その刃を「使う・研ぐ・替える」の判定表
- 古いガソリンの扱いと、エンジンがかからない時の相談先
- 伸び放題の草を、途中で止まらずに刈るコツ
草刈機を久しぶりに使う前の5分チェック表|この順番で見る
点検は5項目です。どれもエンジンをかける前に済ませ、充電式(バッテリー式)ならバッテリーを外してから始めます。表の1から順に見ていけば、5分ほどで終わります。
| 順番 | 見るところ | OKの目安 | NGだったら |
|---|---|---|---|
| 1 | 刃(ひび・欠け・曲がり・サビ) | 割れや欠けがなく、サビは表面だけ | 下の判定表で「研ぐ」か「替える」を決める |
| 2 | 刃の締め付け | 手で揺すってもガタつかない | 取扱説明書どおりに締め直す |
| 3 | 飛散防止カバー・ネジ類 | 割れ・ぐらつき・外れがない | 直るまで使わない。部品は販売店へ |
| 4 | 燃料・バッテリー | 新しい燃料を入れる/バッテリーを充電してある | 去年の燃料は使わない。かからなければ販売店へ |
| 5 | 刈る場所と装備 | 空き缶・針金・ひもを拾った。ゴーグルと手袋がある | 拾えない物には目印を付ける |
この表は、農研機構の農作業安全情報センターが示す刈払機の作業前点検(刃のひび・欠け、取付ネジの緩み、飛散防止カバー、作業場所の異物)を、久しぶりに使う人向けに並べ直したものです。シーズン前の点検にも、同じ順番で使えます(農作業安全情報センター:刈払機の安全ポイント)。
刃から見るのは、刃がダメなら燃料を入れても作業できないからです。
点検の前に、刃を拭いておく
去年の草の汁や土が付いたままでは、細いひびは見えません。乾いた布で刃の表と裏を拭き、明るい場所で見ます。拭くときも手袋は外さないでください。止まっている刃でも、刃先は鋭いままです。
刃の点検|ひび・欠け・曲がり・サビ・締め付けの見方
5項目のうち、特に時間をかけたいのが刃です。回転中の刃が割れると、破片が勢いよく飛ぶからです。危ないものから順に見ていきます。

ひび:刃先から取り付け穴のまわりまで、細い線がないか
ひびは、髪の毛のように細い線で入ることがあります。刃先だけでなく、刃の付け根や取り付け穴のまわりまで、光に当てながら見てください。ひびを見つけたら、研がずにその刃は使用中止です。研いでもひびは消えず、回転中に割れるおそれが残ります。
欠け:小さな欠けでも、研いで直そうとしない
去年の最後に石を打った刃は、刃先が欠けていることがあります。欠けが1か所だけでも刃の重さのつり合いが崩れ、振動や破片の飛散につながります。研いでも元には戻らないので、交換してください。
曲がり:どの刃先も同じ形をしているか
刃が曲がっていると、回したときに刃先の高さがそろいません。もともと先端を曲げてある刃もあるので、見るのは「どの刃先も同じ形か」です。2枚入りで買った刃なら、未使用のもう1枚と並べると違いが分かります。叩いて戻した刃は使わないでください。
サビ:表面だけか、穴やくぼみまで進んでいるか
見るのはサビの色ではなく、深さです。表面だけなら、ワイヤーブラシや紙やすりでこすって落とし、研げば使えます。小さな穴やくぼみまで進んでいたら交換です。落とし方の詳細とサビを防ぐしまい方は、草刈り替刃の保管とサビ対策で解説しています。
締め付け:ナットの緩みと、外し忘れの工具
手袋をして刃の先を軽く持ち、上下や回る向きに揺すってみます。カタカタ動くなら、固定ナットが緩んでいます。このナットは多くの機種で左ネジ(逆ネジ)で、ふつうのネジとは回す向きが逆です(締めるときは左回し)。締め直しは取扱説明書の手順に従ってください。
もうひとつ、刃を外すときに差し込む回り止めの工具(小さな棒)が、差したままになっていないかも確かめます。ナットが固くて外れないときは、叩いたり無理に回したりせず、草刈機の刃の交換方法(逆ネジ・向き・裏表)の「ナットがどうしても外れない」を先に読んでください。
飛散防止カバー:割れ・ぐらつき・内側の草
刃の手前にある飛散防止カバーは、小石や刈った草から体を守る部品です。割れていないか、手で押してぐらつかないかを見ます。内側に去年の草が固まって残っていたら、エンジンを止めたまま取り除いておきます。
カバーが割れている・外れているときは、刃に問題がなくても作業しないのが原則です。ハンドルなど、ほかのネジの緩みもこのとき一緒に見ておきましょう。
替刃を売っている立場で言うのも変なんですが、うっすらサビたくらいなら、落として研げばまだ使えることが多いんです。ただ、ひび・欠け・曲がりだけは別。ほかがきれいでも、使わないでほしいです。迷ったら、その刃はお休みさせてください。
その刃は使う?研ぐ?替える?|3択の判定表
刃の状態を見たら、次の表で決めます。「研ぐ」を選べるのは、ひび・欠けのない刃先の摩耗と、表面のうすいサビだけです。
| 刃の状態 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 異常なし・締め付けもOK | 使う | そのまま作業に入れる |
| 表面のうすいサビ(こすると銀色が出る) | 研いでから使う | サビを落とせば刃先が戻る |
| 刃先の角が丸くなっている(ひび・欠けなし) | 研いでから使う | 摩耗は研ぎで戻せる |
| 小さな穴・くぼみができるほどのサビ | 替える | 削ると刃が痩せて弱くなる |
| 研ぎ減りで刃の幅が細くなっている | 替える | 強度が落ちている |
| ひび・欠け・曲がりがある | 替える(研がずに使用中止) | 回転中に割れて飛ぶおそれがある |
「研ぐ」と判定した刃は、研いでから使えば今日の作業に間に合います。研ぎ方は道具別に、草刈り替刃の研ぎ方完全ガイドで解説しています。
迷った刃は「替える」側で判断する
ひびなのか、ただの汚れや傷なのか、見分けがつかない線もあります。そんなときは、使わない側を選んでください。刃1枚の値段より、割れた刃が飛んだときの危険のほうがずっと大きいからです。
なお、この表は「久しぶりに使う前」の見た目の判定です。使っているうちに切れ味が落ちてきたときのサインは、次の記事で詳しく扱っています。


燃料とエンジン|古いガソリンは使わず、かからなければ販売店へ
エンジン式の草刈機(刈払機)は、刃の次に燃料を確かめます。長く置いた燃料は傷み、エンジンがかからない、回転を上げると止まる、といった不調の原因になりやすいとされています。
燃料でやってはいけないこと
- 去年から入れたままの燃料で動かす
- 古い燃料を排水口や地面に捨てる
- 混合燃料(ガソリンとオイルを混ぜたもの)か普通のガソリンか、分からないまま入れる
燃料の抜き方や手入れは、取扱説明書に従います。入れる燃料の種類や混ぜる割合はエンジンの種類で決まっていて、間違えるとエンジンを傷めます。自信がなければ、購入した販売店や修理店に任せてください。残った燃料の処分は、ガソリンスタンドや販売店に相談します。
説明書が見つからないときは、本体に書いてある機種名をメモして、ホームセンターの草刈機売り場か農機具店で「去年の燃料が入ったままです。抜き方と、入れる燃料を教えてください」と聞いてみてください。
新しい燃料を入れてもエンジンがかからない、かかってもすぐ止まる。そんなときは刃の問題ではありません。スターター(エンジンをかけるときに引くひも)を何度か引いてもかからない日は、無理に引き続けず、その日はやめておきます。
早めにお店で見てもらうほうが、春の週末を失わずに済みます。買った店が分からなくても、ホームセンターの修理受付や近くの農機具店で見てもらえます。
充電式(バッテリー式)の人が見るところ
刃の点検は、エンジン式とまったく同じです。そのうえで次の3つを見ます。
- 刃に触る前に、必ずバッテリーを外す
- バッテリーは充電してから使う
- バッテリーと充電器に、割れ・変形・膨らみがないか見る
冬のあいだの保管や充電の仕方はメーカーごとに違うため、取扱説明書を優先してください。バッテリーや充電器に割れ・変形・膨らみがあれば使わず、メーカーや販売店に相談します。
充電式で金属刃を使う場合、合う刃は説明書の「外径・取付穴・使える刃の種類」の3つで決まります。取り付け穴の径が20mmの機種もあるので、替刃を選ぶ前に草刈り替刃のサイズ適合チェック表で確認しておくと安心です。
充電式向けの刃選びは、充電式草刈機の替刃の選び方(230mm)と、充電式の草刈機で3枚刃は使える?でも詳しく解説しています。
春の1回目は「伸び放題」に注意|刃に無理をさせない刈り方
草刈りの時期に入って最初の1回は、1年のうちでも刃に負担がかかりやすい日です。去年の枯れ草の上に新しい草が伸び、背丈も密度も増えているからです。
刈る前に、草むらを一度歩く
伸び放題の草むらには、空き缶・針金・ひも・ビニールが隠れていることがあります。空き缶や針金は刃に当たると欠けの原因になり、ひもやビニールは刃の根元に巻き付いて作業を止めます。刈る前に一度歩いて拾い、動かせない石や杭には目印を付けておくと安全です。
ゴーグルや手袋も、刃と同じく1年ぶりです。ゴーグルに傷や曇りが残っていないか、手袋に穴が開いていないかも、このとき見ておきます。必要な装備の一覧は草刈りの装備・服装ガイド、メガネの上からかけられるゴーグルはNestrayの作業用ゴーグルで紹介しています。
背の高い草は、一度に刃へ入れず少しずつ刈る
いきなり根元まで刈ろうとすると、長い草が一度に刃へ入り、回転が落ちて止まりやすくなります。刃はヒザより低い位置に保ったまま、草を少しずつ刃に当て、何回かに分けて刈り進めます。
刃をヒザより上に上げると、刈った草や小石が顔に向かって飛びやすくなります(農作業安全情報センター)。一度に入る草が少ないほど回転が落ちず、刃にもエンジンにも無理がかかりません。それでもツルが巻き付いて止まる場所は、草刈り機にツルが絡まる原因と対策を参考にしてください。


石に当たったら、すぐ止めて刃を見る
刃が石や杭に当たって大きな音がしたら、エンジンを止め、刃が止まったのを確かめてから点検します。欠けたまま刈り続けると、破片が飛ぶおそれがあります。久しぶりに付けた刃は、刈り始めてしばらくしたら一度止め、ナットの緩みも見ておくと安心です。
伸び放題の草むらには:Nestray 3枚刃【異次元の粉砕力】
305mm・厚さ1.4mmの3枚刃(2枚入)は、草を細かく刻むのが得意な粉砕タイプです。刈った草が細かくなるぶん、あとで集める量が減ります。
大きめの刃なのでパワーのある機械向きで、エンジンは26cc以上がおすすめです。取り付けの条件は、お手持ちの草刈機の取扱説明書と商品ページで確かめてください。この3枚刃は、裏返して両面を使うことはできません。使い方のコツは草刈り機の3枚刃の使い方にまとめています。
※この刃(3枚刃・305mm)はエンジン式26cc以上・エンジン式専用です。充電式の草刈機には使わないでください。
硬い草や藪が混じるなら:Nestray シュレッダーブレード【異次元の粉砕力】
去年の枯れた硬い茎や、藪になりかけた場所が多いなら、厚さ4mmの2枚刃(270×80mm・2枚入)が候補です。刃が厚く頑丈なので、硬い茎にも負けにくいのが持ち味です。
正直な弱点は重さです。腕の力と足場の安定が必要で、斜面では疲れやすくなります。力を発揮するのは平地の広い場所です。取り付けの条件は、取扱説明書と商品ページで確かめてください。
替える刃・予備の刃は、草が伸びる前にそろえておく
判定表で「替える」になった刃がある。あるいは、いまの刃は使えるけれど、次に欠けたときの替えがない。どちらの場合も、草が伸びきる前に用意しておくと楽です。刈る日の朝に刃がダメだと分かっても、新しい刃はその場では手に入りません。せっかく空けた週末が、刃を待つだけで終わってしまいます。
2枚入りの替刃なら、もう1枚がそのまま予備になります。1枚目を付けて、もう1枚は物置へ。途中で石に当てて欠けても、その日のうちに付け替えて作業に戻れます。
刃選びの目安|Nestrayの替刃から選ぶなら
研ぎ直して長く使える高炭素鋼(SK95・SK5)の2枚刃から、刈った草を細かく刻む粉砕タイプまで、草の状態と機械の大きさに合わせて選べることです。
選び分けの目安は次のとおりです。
- よく研いで長く使いたい人向け:高炭素SK95モデル(305mm・2枚刃・2枚入)
- 軽い機械の人向け:高炭素SK5モデル(255mm・2枚刃)
- 刈った草を細かくして、片付けを軽くしたい人向け:3枚刃【異次元の粉砕力】(305mm・2枚入)
- 硬い草や藪が多い場所向け:シュレッダーブレード【異次元の粉砕力】(270mm・厚さ4mm・2枚入)
- 充電式の草刈機の人向け:シュレッダーブレード230mm(2枚入・取り付け穴25.4mmの機種向け)。合う機種の条件は充電式の替刃の選び方で確認できます
どの刃も、付けられるかどうかは外径と取り付け穴の径、機械の対応で決まります。両面を使えるかどうかも刃によって違うため、買う前に取扱説明書と商品ページで確かめてください。サイズの確認は1分で済み、合わない刃を買う手間がなくなります。
2枚刃とチップソーの違いから比べたい方は、草刈機の刃の選び方(2枚刃とチップソーの比較)が参考になります。
※この刃(SK95・305mm)はエンジン式26cc以上・エンジン式専用です。充電式の草刈機には使わないでください。
替刃それぞれの違いは、Nestrayの草刈り替刃ページでまとめて見比べられます。
3枚刃は裏返して使えない刃なので、2枚入りは「表と裏」ではなく「予備の1枚」だと思ってください。春の途中で欠けても、すぐ付け替えられる安心のための2枚です。
よくある質問
- 去年の燃料が少しだけ残っています。混ぜて使っても大丈夫ですか?
-
おすすめしません。長く置いた燃料は傷んでいることがあり、新しい燃料と混ぜても不調の原因になりえます。抜き方は取扱説明書に従い、残った燃料は排水口や地面に捨てず、ガソリンスタンドや販売店に相談してください。
- 刃を付けたまましまっていました。外さずに点検していいですか?
-
付けたままでも見られます。ただし刃に触る前に、エンジン式はエンジンを止め、充電式はバッテリーを外してください。取り付け穴のまわりのひびは外さないと見えにくいことがあるので、気になるときは外して確かめます。
- 刃に小さな欠けが1か所あります。研げば使えますか?
-
研がずに交換してください。小さな欠けでも刃のつり合いが崩れ、振動や破片の飛散につながります。研いで使えるのは、ひびや欠けのない刃の、刃先の摩耗やうすいサビだけです。
- ナットが固くて刃が外れません。
-
刃を固定するナットは、多くの機種で左ネジ(逆ネジ)です。回す向きを確かめ、叩いたり工具で無理に回したりしないでください。外し方は草刈機の刃の交換方法にまとめています。それでも外れない場合は、販売店に相談するのが安全です。
- 両面を使える刃なら、裏返せば新品と同じになりますか?
-
なりません。裏返すのは刃先の摩耗への対処で、ひび・欠け・曲がりは裏返しても直りません。また、両面を使えるかどうかは刃によって違い、Nestrayの3枚刃は裏返して使えない刃です。取扱説明書と商品ページで確認してください。
まとめ|久しぶりの草刈機は「刃から先に見る」
草刈機を久しぶりに使う日は、エンジンをかける前の5分で決まります。
- 刃を拭いて、ひび・欠け・曲がり・サビを見る
- ひび・欠け・曲がりがある刃は、研がずに使用中止
- 刃の締め付けと飛散防止カバーを確かめる
- 去年の燃料は使わず、かからなければ販売店へ
- 伸び放題の草は、刃をヒザより低く保ち、少しずつ刈り進める
使える刃は使い、危ない刃だけを替える。この線引きができれば、春の1回目は途中で止まらずに終えられます。
替える刃や予備の刃が必要になったら、Nestrayの草刈り替刃の商品ページで、サイズと種類を確かめてから選んでください。春から秋までの草刈りの時期と回数の目安は、草刈りは年に何回?時期の目安が参考になります。










